- 2008-10-19 (日) 12:10
- 経営/戦略
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![]() | ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press) (2005/06/21) W・チャン・キムレネ・モボルニュ商品詳細を見る |
まず、本書で述べられているブルー・オーシャン、レッド・オーシャンについて
レッド・オーシャンは今日の産業すべてを表す。つまり、吉の市場空間である。かたやブルー・オーシャンとは、いまはまだ生まれていない市場、未知の市場空間すべてをさす。
レッド・オーシャンでは各産業の境界はすでに引かれていて、誰もがそれを受け入れている。競争のルールも広く知られており、各社ともライバルをしのいで、限られたパイのうちできるだけ多くを奪い取ろうとする。競争相手が増えるにつれて、利益や成長の見通しは厳しくなっていく。製品のコモディティ化が進み、競争が激しさを極めるため、レッド・オーシャンは赤い血潮に染まっていく。
対照的に、ブルー・オーシャンは市場として未開拓であるため、企業は新たに需要を掘り起こそうとする。利益の伸びにも大いに期待が持てる。ブルー・オーシャンの中には、これまでの産業の枠組みを超えて、その外に新しく創造されるものもあるが、大多数はレッド・オーシャンの延長として、つまり既存の産業を拡張することによって生み出される。
目次は、以下の通り。
第1部 ブルー・オーシャン戦略とは
第1章 ブルー・オーシャンを生み出す
第2章 分析のためのツールとフレームワーク
第2部 ブルー・オーシャン戦略を策定する
第3章 市場の境界を引き直す
第4章 細かい数字は忘れ、森を見る
第5章 新たな需要を掘り起こす
第6章 正しい順序で戦略を考える
第3部 ブルー・オーシャン戦略を実行する
第7章 組織面のハードルを乗り越える
第8章 実行を見すえて戦略を立てる
第9章 結び:ブルー・オーシャン戦略の持続と刷新
第一部では、ブルーオーシャン戦略とは何ぞやが説明されています。
まず、レッド・オーシャンとブルー・オーシャンとの戦略の比較です。
レッド・オーシャン | ブルー・オーシャン |
| 既存の市場空間で競争する | 競争のない市場区間を切り開く |
| 競合他社を打ち負かす | 競争を見意味なものにする |
| 既存の需要を引き寄せる | 新しい需要を掘り起こす |
| 価値とコストのあいだにトレードオフの関係が生まれる | 価値を高めながらコストを押し下げる |
| 差別化、低コスト、どちらかの戦略を選んで、企業活動すべてをそれに合わせる | 差別化と低コストをともに追求し、その目的のためにすべての企業活動を推進する |
これでブルー・オーシャンとは大体どんなもんなのかというのがわかるかと。
で、ブルー・オーシャン戦略を行うにあたっての6原則を紹介。
| 策定の原則 市場の境界を引き直す 細かい数字は忘れ、森を見る 新たな需要を掘り起こす 正しい順序で戦略を考える | 対応するリスク要因 ↓探索リスク ↓プランニング・リスク ↓規模のリスク ↓ビジネスモデルにまつわるリスク |
| 実行の原則 組織面のハードルを乗り越える 実行を見すえて戦略を立てる | 対応するリスク要因 ↓組織面のリスク ↓マネジメント・リスク |
これを踏まえて、以下の4つのアクションで価値曲線を描く。
・ Q1:業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきものは何か?
・ Q2:業界標準と比べて思い切り減らすべき要素は何か?
・ Q3:業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か?
・ Q4:業界でこれまで提供されていない、今後付け加えるべき要素は何か?
第2部ではブルー・オーシャン戦略の策定方法が説明されています。
実際の事例を挙げ解説されています。
で、まず以下の6つのパスで、既存の正面競争からブルー・オーシャンの創造へ抜け出します。
| 正面競争 | ブルー・オーシャンの創造 | |
| 業界 | 業界内のライバル企業に照準を合わせる | 代替財や代替サービスを提供する業界に注目する |
| 戦略グループ | 戦略グループ内部の競争上のポジションに注意を向ける | 業界内のさまざまな戦略グループを見渡す |
| 買い手グループ | 買い手の要望によりよく応えることに力を注ぐ | 業界の買い手グループを定義し直す |
| 製品やサービスの範囲 | 業界の枠組みの中で、製品やサービスの価値を最大化しようとする | 業界の枠組みを超えて、補完財や補完サービスを見渡す |
| 機能思考と感性思考 | 業界の機能思考/感性思考に沿って、価格・パフォーマンス比を改善する | 業界の機能思考あるいは感性思考を問い直す |
| 時間軸 | 外部トレンドへの適応をめざす | 将来にわたって外部トレンドの形成にかかわる |
第3部ではブルー・オーシャン戦略の実行方法が説明されています。
この部はかなり参考になりました。
まずは、戦略実行にともなう組織面の4つのハードルです。
・ 意識のハードル
現状に浸りきった組織
・ 経営資源のハードル
限られた経営資源
・ 士気のハードル
やる気を失った従業員
・ 政治的なハードル
強大な利害関係者からの抵抗
4つそれぞれのハードルをクリアするための方法が述べられています。
そして、一番参考になって共感できたのが第8章で、もう、うちの会社の幹部社員は全員この章だけでも読んでくれとお願いしたいくらい。
公正なプロセスは関与、説明、明快な期待内容という、互いに支え合う3つの要素で成り立っている。上級エグゼクティブであろうが、最前線の従業員であろうが、誰もがこの3つに注目している。ここではこれらを公正なプロセスを支える3つのEと呼ぶ。
「関与」とは、従業員に意見を求めたり、他者のアイデアや仮説に反論する機会を与えたりして、戦略の策定にかかわる機会を用意することを意味する。 これによって、一人ひとりの従業員とその考え方を経営陣が重視している旨を、みなに伝えられる。反論の機会を設けると、各人の考え方が研ぎ澄まされ、全体としてよりよい発想が生まれる。従業員を関与させると、経営陣は判断の質を高められ、従業員は戦略の実行に深く関与する。
「説明」とは、戦略を決めるにいたった理由を関係者すべてに説明して、理解を引き出すことをさす。どのような考えに基づいて判断が下されたかについて説明がなされると、従業員たちは、経営陣が自分たちの意見も考慮したうえで、もっぱら会社の利益を重んじて判断を下したのだと信じる。かりに自分たちの意見が通らなかったとしても、説明を受ければ、経営者の意図に信頼を寄せるのだ。
「明快な期待内容」とは、戦略が決まった後で、経営陣が従業員への期待内容を明快に述べることをさす。期待水準は高いかもしれないが、いずれにせよ、どのような基準で評価がなされるのか、実績が期待に届かなかった場合にはどのようなペナルティがあるのかについて、従業員にあらかじめ知らせておくべきである。
このようにブルーオーシャン戦略は新たなコンセプトというよりも既存のコンセプトを整理・組み合わせたものであるといえます。
しかし、このコンセプトは重要で有効だと思います。
私もブルー・オーシャン戦略を意識してビジネスしていきたいですね。
お薦めの一冊です。
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